歯ブラシに水をつけると効果が弱まる原因になる
世界的の調査で、虫歯になりやすい傾向にある人は、日本人に多いということが判明して話題となりました。その原因は日本人の歯を磨く習慣にあるとのこと。某TV番組の調査では、日本に滞在する外国人100人に「あなたは歯を磨くときに歯ブラシを水に濡らしてから歯を磨きますか?」というアンケートを行ったところ、9割の人は「歯ブラシに水をつけない」と回答しました。ほとんどの外国人が歯を磨くとき、歯ブラシに水をつけません。日本人の多くは、歯を磨く前にコップを用意し、歯ブラシを水に浸してから歯磨き粉をつけて磨く、というのが習慣になっていると思います。特に意識していなくても自然と歯ブラシを濡らしてしまっています。
歯ブラシを水で濡らすことは悪い事ではありませんが、それにより虫歯になりやすくなるのは何故なのでしょうか。
過度な歯磨きは虫歯の原因
まだ洗面台がなかった時代には、歯磨き粉は塩や墨をつかったものが多く、泡立ちがなく磨いた感じがしないものでした。今では、市販で売られている歯磨き粉の全てに多めに水分が入っています。これは、歯磨き粉を製造する会社がより虫歯になりにくい歯になるよう改良を重ね、適度な泡立ちになるように、計算された水分量が入っているためです。多くの人は、その計算された歯磨き粉に余分な水分を含ませて、歯磨き粉の効果を下げているという事になります。
日本人は海外からみると、清潔と不潔を区別しすぎてしまうという独特の感性を持っています。人によっては小さい頃から習慣化していると言えます。例えば、水道の水は塩素が入っているので浄水器を使う、という家庭は日常的にあります。ですが微量の塩素は、鍋で数分暖めているだけで抜けていくので、365日水道水を飲むという習慣がない限り体に害を及ぼすことはありえません。お風呂も、水風呂でないかぎり塩素を気にする必要はありません。歯ブラシも同じような心理で、無意識のうちに歯磨き粉の嫌悪感を抱いており、執拗に長時間磨いたり、自然と水で濡らしてしまうのです。
歯磨きは国によって違いがある
歯磨き粉には体に害を及ぼすような成分は入っていませんが、何度も口をゆすいでしまいます。スウェーデンでは歯磨きをしたあとに口をゆすがない文化があります。それにより虫歯になる人が少ないとの結果が出ています。歯ブラシを水で濡らすという行為は全く意味のないことだということが、世界的な見解で明らかになっています。また、それによって人体に影響がないことも調査で分かっています。最初は抵抗があるかもしれませんが、実際に歯ブラシに水をつけずに磨いてみると、意外と必要ないということがわかります。
POINT
歯ブラシに水をつけると過度に泡立つ
歯磨き粉は濡らさず直接つける設計になっている。
日本には清潔と不潔を区別しすぎる文化がある。