史上最強の未解決事件、ゾティアック事件の暗号が51年ぶりに解読される
5 1年間未解決のままである、有名なゾディアック事件の重要な手がかりの一つである暗号文。その内容が2020年12月に、暗号マニアであるアメリカの数学者とプログラマー3名の力によって解読されました。ゾディアックの暗号文は、1969年7月9日以降に新聞社に送られてきた408暗号文。1974年にサンフランシスコ市警察に送られてきた手紙に同封されていた340暗号文の2通あります。この340という数字は、340個の記号からなる暗号なのでこう呼ばれています。
ゾディアック事件と暗号
ゾディアック事件は、1969年7月4日、ヴァレーホの駐車場でカップルが銃撃された事件が始まりでした。数日後に、犯人からサンフランシスコ市警察へ「自分がやった。自分はゾディアックだ。」という内容の電話がかかってきました。その際に、犯行に使った拳銃を言い当て、その電話がゾディアックである事が分かりました。その翌月に408暗号文が届き「人間を殺すのは、森で動物を殺すよりも遥かに楽しい」「天国に行ったときに、私の奴隷になる人間が沢山欲しい」といった、自分は狂気的な人間である事を示す内容が書かれていました。
9月27日に、カリフォルニア州のベリエッサ湖畔で、覆面を被った男にカップルがナイフで襲われました。その異様な姿をメディアが取り上げ、ゾディアックの名は全米に広まりました。 10月11日にはタクシー運転手が射殺され、数日後にゾディアックから「自首することを条件に、TV番組に出演させろ」という内容の電話がありました。このゾディアックによるTV出演が実現し、その時の2回の電話は殺人の犯行中にかけられていた事がわかっています。このゾディアックによるTV出演は前代未聞であり、歴史に残る犯罪となりました。しかし、その後の1974年に届いた340暗号文が2020年12月に解読され、その内容によると、「TV番組に電話をしたのは私ではない」「私の奴隷はもう充分集まった」という事が書かれており、タクシー運転手の殺害事件は模倣犯によるものである事を示しています。また同じく送付された手紙には「37人の人間を殺した」と書かれていました。
ゾディアックとは
ゾディアックとは「zodiac sign」(星座)という意味から取った干支を意味します。またゾディアックのシンボルである十字のマークは、ケルト十字を模していて、白人優越主義やネオファシズムのグループがよく使用しています。
2021年、警察の長年の捜査により、事件の被疑者であるアーサー・リー・アレンという人物がゾディアックではないかと思われていましたが、両方の手の筆跡鑑定をしたところ別人である事が証明されました。その後のDNA鑑定でも犯人でないことが分かっていますが、アレンはゾディアックに最も近い人間であるとされています
アレンは、IQ136の知能をもつと言われており、海軍出身で暗号の作成や解析にたけていました。また趣味で狩猟も楽しんでいました。その時の仲間に、暗号文の内容と同じ心情を話したり、狩猟だけでは物足りず、人間を狩りたいと何度も話をしていた事が、警察へのタレこみにより明らかになっています。アレンは幼少期から母親に虐待され、全ての女性に対し強い恨みを抱いていました。サンフランシスコとヴァレーホの事件ではカップルを狙った上で、女性だけを殺していることからゾディアックの犯行の動機にもなります。ゾディアック事件は現在、あまりに有名なのでその話題性を利用して映画やゲーム、TV番組など様々なところで起用されています。現在ゾディアックはく音信不通であり、既に年齢も80代後半なので絶命している可能性が高いですが、否定も出来ないのでどこかで生きているかもしれません。
POINT
ゾディアックは殺害を楽しむという恐ろしい犯行心理から生まれた
アーサー・リー・アレンは高い知能をもっている。
犯人は未だに捕まっていない。