ストレスが限界になると表れる 心身症とは
心身症とは、ストレッサーが継続的に起きることにより、心が弱ってしまった状態のことです。「ストレッサー」とは、ストレスを受ける要因のことです。何をやっても上手くいかなくなるという特徴があります。「心理的ストレッサー」とも言います。例えば、自分の能力を超えた過酷な労働。過度な上司からの圧力。多くの人に囲まれた中で仕事をするプレッシャーなどです。これが継続的に起きることによって体から危険信号が現れます。兆候として、対人恐怖症、記憶喪失、自虐症という症状があります。
3段階の症状
心身症に陥るまでには、3段階のレベルがあります。始めは逃避行動です。その現実から少しでも逃げたい。休みが多くなるなど、とにかく仕事が嫌になります。これは人間の逃避行動の1段階目なので、誰にでも経験があります。しかしそれが積み重なると、頭の中がボーっとして真っ白、または真っ黒になります。これは、ストレスが極限の状態まで達している状態です。これが2つ目の段階です。最終段階になると、過呼吸、または短期の記憶障害が現れます。親しい仲の人の言葉でさえ、自分を責めているかのように聞こえてしまいます。ほんの少しのストレスで、突然過呼吸になってしまったり、記憶が飛んでしまうことがあります。
根本的な要因
ストレスには、「ユーストレス(プラス)」と「ディストレス(マイナス)」の2種類があります。プラスのストレスとは、感動したとき、達成したとき、興奮したときなどがあります。ユーストレスがあることによって、生きる活力が沸いて生活が豊かになります。マイナスのストレスは、仕事などで感じる、緊張、不安、悩みなどです。ディストレスが大きいと精神に悪影響を及ぼします。生涯を通してユーストレスを適度にとり、様々なディストレスの要因に対処していきながら、ストレスバランスを維持していくことが心を健康に保つ上で大切なことです。ストレスがまったく無いと、何をするにも面倒になり、ディストレスに対する耐性がないので、心の病にもかかりやすくなります。
心身症は、うつ病とは明確に違います。うつ病は症状が重く、死に直結する危険性もありますが、2~3ヶ月で治る病気です。ですが、心身症は自我があるので「死」までは考えません。健全な状態であっても、性格が要因で起こることが多いので、自分が心の病気であると簡単には気づくことが出来ません。心身症に陥りやすい性格は、長い期間かけて受け止めていく必要があります。陥りやすい性格の特徴として次のような例があります。嫌なことがある度、徐々にネガティブな思考になっていきます。嫌な人のこと、出来事を一日中考えて頭から離れません。他人に迷惑をかけられない、と常に考えています。一番大きな要因は、些細な悩みを人に打ち明けられないという性格です。心理学医の研究調査(2020年1月より)によれば「仕事に関して相談できるか」というアンケートを1000人以上に実施したところ、53.5%の人が相談できないと回答したそうです。つまりそれだけ多くの人が、仕事のストレスは自身のデリケートな問題であると認識していることになります。
症状を治す方法
症状が最終段階になると、周りのフォローが必要になります。定期的に会って肯定的な意見をもらうような環境が必要になります。常に話すという事は、とても効果的です。
どんなことでもプラスに考えてみましょう。些細なことでも、周りに愚痴をこぼすようにしましょう。上司や先輩が威圧してきても、気にしないことです。そういう人は、周りにも冷やかな目で見られています。嫌なことを考えそうになったら、自分の趣味や、生きがい、楽しみに思考を変えてみて下さい。地道に続けていると良い方向へと向かっていきます。誰よりも頑張っている自分に、自信を持つことが大事です。
POINT
心身症とは心が弱った状態のこと
うつ病とは症状が全く異なる。
悩みを打ち明ける事で改善する。