集団心理はどうやって人に感染するのか
シンガポールに住むゲームの開発者である、NickyCaseさんが手がけたWebサイト「群集の英知もしくは狂気」が爆発的な話題をよんでいます。おばあちゃんが最期に残して20年間も未解決だった謎の暗号がネットによって爆速で解明へ向かったというような 「集合知」 が存在します。これはつまり、おばあちゃんが書いた謎の暗号の羅列を世界中の人が閲覧するような投稿フォーラム(SNSなど)に投稿したら、たった14分で神に祈る言葉のひとつひとつの頭文字だったと解明されてしまったというものです。
集団心理を体験できる
サイト内に書かれている話の内容の一説に以下のような説明があります。万有引力を発見したアイザック・ニュートンは投機ブームで失敗し、現在の価値にして460万ドル(約5億円)を失いました。その際に「人々の狂気については計算できない」と述べました。なぜこのように群衆は狂気に向かったり賢くなったりするのか?ということを直感的に理解するためのツールが 「群集の英知もしくは狂気」 です。サイト内にある集団心理感染の例をあげてみます。集団浅慮とは、集団で最善の選択をするよりも何かを決定することに意識が向き、本来の議題に対する考えが浅くなることをいいます。
SNSやネットのような集合知というものが身近に存在します。このような媒体の集団心理を可視化して、実際にネットワークを自分で作ることで、考えや行動が人から人へと感染していく様子を体感できる興味深いサイト「群集の英知もしくは狂気」 というものがあります。スマートフォンからサイトをプレイすることも可能です。
集団感染を体験してみる URL : https://ncase.me/crowds/ja.html
ボランティアの例
「群集の英知もしくは狂気」 の中で、ボランティアに参加している人の中の6人全員にボランティアを行わせるには、どういう交友関係を結ばせたらよいか?という問題があります。なお、閾値(いきち)が25%、つまり、全員が交友関係になっている人の中の、最低4人に1人がボランティアを行っていれば集団心理感染する、ということになります。どの人間心理にも、ある一定の環境下であることが条件となっています。集団心理が働く一定の環境下の条件はグループ全員と交友関係がなければならないことです。加えて全員と交友関係がある一人がボランティア行動を起こすことで感染が起こります。最終的にだれかもう1人が行動すれば、ボランティアの概念が群集全体に拡散する、というわけです。実際に、職場や学校などいろいろな場所で起きることがあります。一定数のグループ内で意見を言いあう場合は、こういった心理が働いているといえます。ですが、あまりに集団の友好関係が密接であると 「集団浅慮」 となることもあります。
POINT
SNSの集合体によって難事件が解決した
集団浅慮とは、考えが浅くなり決定が早まること
集団心理は全体の4分の1以上の交友関係がある事で働く