コロナウイルスの変異種はどれほど危険なのか
2021年に英国の科学者によって発信された内容によれば、コロナウイルスの変異種は従来よりも最大70%の感染率が高くなっており、それによって死亡率が約30%高くなっているとの見解を示しています。 -ロイター通信
この変異種は、英国だけでなく各国で複数存在が確認されています。ウイルスの変異とは、タンパク質の構造が変化したものでそれぞれ「B.1.1.7(英国-D614G、南アフリカ-501Y.V2、ブラジル-P1)」などの正式名称があります。ウイルスの先端部の形状が変化したことで、さらに人の細胞に結合しやすくなり、感染力が1.7倍になったとされています。イギリスでは、変異ウイルスの出現によって外出禁止条例が出されており、他国ではイギリスからの渡航者の制限や輸送物資の輸入が停止されるなど、甚大な被害と影響を受けています。
コロナウイルスの変異は危険なのか
ネットやメディアの情報を見ると、危険性が高いような印象を受けますが、実は変異自体が危険なものではありません。ウイルスの変異は、増殖の過程でコピーミスによって起きるものなので、感染力が高まるかわりにウイルスの毒性は弱まっていきます。例えば、コロナウイルスは1日に100人の感染で6個のコピーミスを起こすとされていて、1日1000人が感染すれば60個、1ヶ月で約180個のコピーミスが起きます。つまり感染数が多いほど変異は早まり自然に終息していくことになります。ただし、遺伝子の長さがインフルエンザよりも15倍の長さがあるので、変異しやすく感染力が強いのがコロナウイルスの厄介なところです。
日本での対策は
日本では2021年1月25日に会見で、厚生労働省がワクチン摂取のスケジュールを発表しました。河野大臣によれば、高齢者施設を優先的にを開始するとしています。コロナウイルスは、別名新型ウイルス肺炎とも呼ばれており、高血圧や糖尿病など持病を抱えた高齢者の致死率が高いのが特徴です。なのでスケジュールは理にかなった対策といえます。また、米食品医薬品局(FDA)のアーノルド・モント氏によれば、日本でも今後使われるアストラゼネカ・ファイザー社のワクチンについて、変異株にも効果があると述べています。
今後は高齢者が犠牲とならないような国の対策や、各々の意識が重要視されていくように思っています。
POINT
変異により感染率は70%高くなった。
ウイルスが変異するとコピーミスが起こる。
変異により毒性が弱まる。